FAS児の特徴 − 特徴と傾向<IQ(知能指数)と学習障害>
<視覚・聴覚・記憶力>
<行動障害>
写真を使ったり実際に演じることによって、一つ一つの情報を視覚的に伝えてあげることがFAS児には必要なのです。また、学校での挫折や日中の過度な刺激は、怒りやフラストレーションの原因にもなり易いです。 <理解力と罰> 一般通念的に理解されている言葉やジェスチャー、目配せ等の合図を認識できないFAS児にとって、周りとの付き合いは容易ではありません。立っている時や会話をしている時に相手に極端に近づき過ぎたり、話の流れについていけなかったり、周りの人のすることを後先考えずにすぐ真似てしまったりする傾向があるのです。友達を作ることはできても、その友人との関係を保つことのできない場合が多いようです。 FAS児にいくら罰を与えても無駄です。「罰を受ける結果になったその行為をまた繰り返せば再度罰を受けるのだ」、ということを理解し得るほど先々のことをFAS児は考えられないのです。 視覚や実施,行動によってしか物事を認識しえない子供に、いくら口で説教をしたり説明したりしても何の意味もありません。こういった素行問題が見られる子供のことを、『頑固である』とか『言う事を聞かない子だ』と思われるでしょうが、実際は口頭による指示の理解に手間取っていたり、過刺激のせいで混乱していたり、記憶力が不十分なせいで、指示に従いたくてもそれができずにいるのです。 上記のようなFAS児の状態を理解しないまま罰を与えても、子供はなぜ罰せられるのか解らないでしょうし、多くの感覚障害や記憶に問題のある事を本人が自覚できずにいたり、知っていてもそれを説明できるほどには自分の問題を理解できずにいる子供達にとって、罰は単に子供のフラストレーションを助長する原因にしかなり得ません。
人はたいていの場合、「こうしたら、こうなる」というシミュレーションを無意識にしているものです。そうした時に、過去に起こった事柄や経験から先に起こる事を予想し、同じ間違いを犯さないようにと次にとる行動を制御したり、別な方法を探したりします。 しかし、胎児性アルコール症候群を患う子供たち(大人も同様)は、そういったシミュレーションや抽象的な考えを不得意とするので、『後先考えずに行動する』と思われます。 子供の素行に問題が見られる場合、その子の母親に妊娠前、妊娠中または授乳中にアルコール乱用やアルコール依存症などの問題が無かったか調べる事をお勧めします。 |