FAQ(よくある質問)・当サイトについて - 胎児性アルコール症候群FAS


Q1. サイトの目的は

Q2. どの程度の飲酒で胎児性アルコール症候群は起こりますか

Q3. FAS/FAEを引き起こさない安全な飲酒量はありますか

Q4. 妊娠中・授乳中の少量飲酒は安全と聞いたのですが本当ですか

Q5. 胎児がFAS/FASを患っているかどうかを妊娠中に調べることはできますか

Q6. 妊娠中に飲酒してしまった場合、どうすればいいですか

Q7. 妊娠するどれくらい前に飲酒を止めればいいですか

Q8. 飲酒した状態で性行為をし妊娠しました。それ以降禁酒していますが、子供がFASを患う可能性はありますか

Q9. お酒が好きで現在は毎日のように飲酒していますが、妊娠と同時に禁酒すれば大丈夫ですか

Q10. 少量のアルコールなら大丈夫なのでは

作者からのメッセージ








Q1. サイトの目的は

当サイトは、アルコール摂取を『悪』としているものではなく、『妊娠、授乳中の飲酒によって起こりえる胎児・乳児への害』について広く知っていただく事を目的としています。


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Q2. どの程度の飲酒で胎児性アルコール症候群は起こりますか?


専門家によると、一週間に平均14杯のアルコールを摂取すると『完全型の胎児性アルコール症候群(FAS)』を引き起こすと言われています。


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Q3. FAS/FAEを引き起こさない安全な飲酒量はありますか


基本的にはありません。

妊娠中に飲酒しても子供にFASが見られなかったケースも多くあります。(一日に2〜3杯のアルコールを毎日常飲した母親や、一度に4杯以上のアルコール飲料を口にした母親から生まれた子供の、およそ66%に「完全型のFAS」が見られなかったと報告されています。) 更に、空腹の状態での飲酒を避け、食事しながらの飲酒や、ゆっくりとしたペースでの飲酒では、引き起こされる確率が下がるとも言われています。

しかしながら、たった一回の飲酒でも生まれた子供に胎児性アルコール症候群がみられたケースも報告されているので、いくら『確率』が低かろうが、リスクがゼロであるわけではありません。
「飲酒した場合に胎児・乳児がFAS/FAEを発症する確率は33%」という数字は、一杯の飲酒でのFAS発症もアルコール常飲でのFAS非発症も合計して出されたものであり、あくまで統計上の数字でしかありません。

つまり、妊娠中のどの時期に、どのくらいのお酒を摂取すれば胎児性アルコール症候群が発生するのかは現在もまだ分かっておらず、胎児性アルコール症候群(FAS/FAE)を引き起こさない妊娠中・授乳中の安全な飲酒の量というものは存在しないといえます。


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Q4. 妊娠中・授乳中の少量飲酒は安全と聞いたのですが本当ですか


Q3と同じ理由により、妊娠中や授乳中の飲酒の安全性は証明されていないといえます。

「アルコールが胎児に影響を与える」 というのは 「受精卵の細胞分裂の順序や正確さを狂わせるかもしれない」 ということです。 もちろん妊娠中はずっと禁酒することを強くお勧めしますが、妊娠期間の中でもアルコールや薬などの影響が胎児に特に現われやすい時期があります。それは、妊娠週数で言えば 「妊娠4週以降16週以内」、 妊娠月数で言えば 「妊娠2ヶ月から4ヵ月以内」 です。

アルコールは飲酒する人(お母さん)、そして胎児(赤ちゃん)、両方の脳細胞を微量ずつではありますが破壊します。特に胎児の未熟な内臓では、アルコールを分解しきれず、アルコールの害が赤ちゃんの脳つまり全身に及ぶことになります。

ただしお酒の飲み方や個体差にもよってアルコールの影響に差が出ます。
大量のお酒を短時間に飲むと、肝臓がアルコールを一度には分解しきれない状態になります。その分解しきれなかったアルコールが体内を巡回し、赤ちゃんの身体にアルコールの影響が及ぶのです。もし少量のお酒をゆっくり時間をかけて飲むと、肝臓がアルコールを分解する時間を持てるので、赤ちゃんに及ぶ直接的なアルコールの影響は少なくなります。

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Q5. 胎児がFAS/FASを患っているかどうかを妊娠中に調べることはできますか

胎児がFASを患っているかいないかを出産前に調べる方法は、残念ながら現段階ではありません。

早くても生後18ヵ月から2歳くらいにならないと、子供が完全型の胎児性アルコール症候群FASを患っているかどうかを見分けるのは難しいです。診断を下すのに一番適している時期は社交性を求められる(個人差がありますが)2歳−9歳くらいからで、通常は子供がとる行動を観察することによって診断されます。


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Q6. 妊娠中に飲酒してしまった場合、どうすればいいですか

まずはすぐに飲酒を止めることが重要です。
妊娠中に飲酒しても子供にFASが見られなかったケースも多くあります。統計上の数字とはいえ、お子さんが完全型のFAS児として生まれる可能性はまだ「66%無い」のです。優良な食事や睡眠をたっぷりとり、健康な生活を続けることによって、お子さんが健康児として生まれる可能性はもっと高くなります。

アルコールが胎児や乳飲み子に与える影響を、もっと早くに知っていたら・・・というお気持ちはとてもよく分かります。初めてこの『胎児性アルコール症候群』について知った時、私も同じ気持ちを味わったからです。でもだからといって、過ぎてしまった事を悔やみ御自分を責めたりするのではなくて、「これから自分に何ができるのか」という事にどうか目を向けてください。 皆さんが「胎児性アルコール症候群」という病気を今知ることができたことが、この先、生きていく中で意味を持つのだと思います。

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Q7. 妊娠するどれくらい前に飲酒を止めればいいですか

胎児性アルコール症候群の専門家は、胎児性アルコール症候群を患わない子供を産むには妊娠の可能性がある(避妊せずに性行為をしている)間は飲酒すべきではないと言っています。

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Q8. 飲酒した状態での性行為で妊娠しました。それ以降禁酒していますが、子供がFASを患う可能性はありますか


飲酒中に性行為をして授かった赤ちゃんに、胎児性アルコール症候群が現われるわけではありません。

受精卵というのは、最初は、あなたの卵子と男性の精子のたった二つの細胞からできています。その大きさは、この 「 . 」(括弧内の)点より小さいのです。 その小さい、小さい受精卵にアルコールが影響を与えるのは、細胞分裂の過程においてなのです。

たった2つの細胞が、分裂を繰り返して徐々に数を増やし、60兆から70兆と言われる数になるまで分裂し、『人間』へと育っていきます。そして、この細胞の分裂の中で、目、鼻、口、手、足、脳、神経、内臓を含む全ての器官が形成されていきます。

少しずつ少しずつ、身体のそういった一つ一つの器官ができあがっていくその過程を、アルコールは狂わせてしまうのです。手足が形成されている時にアルコールの影響を受ければ手足に障害が現われるかもしれませんし、神経が形成されている時であれば神経系の障害を負った子供が生まれる可能性がでてくるのです。

つまり、胎児の身体器官のいずれかが形成されている最中にアルコールの影響が胎児に及ぶことがあれば、FAS/FAEの症状が見られるお子さんが生まれる可能性が高くなるということになります。

身体機能が完全でない授乳期の乳児にも、母乳に含まれるアルコールによって同様の影響が出る可能性があります。

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Q9. お酒が好きで現在は毎日のように飲酒していますが、妊娠と同時に禁酒すれば大丈夫ですか

妊娠中と授乳中に母親がお酒を飲みさえしなければ、産まれてくる子供に胎児性アルコール症候群が発症することは絶対にありません。

「受精前の飲酒」は、FASを引き起こすのではなく、FAS児が生まれやすい状況を作るのです。

たとえば、若い頃から毎日のように飲酒している人は、飲酒が日課のようになっているので、妊娠したから「はい、今日から禁酒します」と、簡単に止めることができないケースが多いのです。絶対にそうだ、というのではありません。そういう人が多い、という事です。

更に言えば、毎日のように飲酒している人は、飲酒期間が長くなるほど、往々にして一回の飲酒量が多くなりがちです。最初はコップ一杯のビールしか飲めなかったのに、気がつくとビール3本を開けられる程お酒に強くなっていた、というのは良く聞く話です。

そういう人が妊娠しても簡単に禁酒できずにいた場合、『少しだけだから』とアルコールを口にし、最初はコップ半分のお酒が次の日にはコップ一杯に増え、コップ二杯に増え、妊娠10ヶ月になる頃には大量のアルコールを消費してしまっていた、というのもよく耳にする話なのです。

毎日欠かさず飲んでいるけど「中毒というものではないと思っていた」という方が多いようですが、『アルコールを毎日飲む事』イコール『中毒』なのではありません。
アルコール(または他の物)を「止めたいのに止められない」、「止めなければならないのに止められない」と言ったような時に、それが初めて「中毒」と認識される問題となるのです。
欲求をコントロールできない。それが『中毒』なのです。

考えてみてください。 アルコールを口にしなくても平気ですか?旦那さんや周りの人がビールをおいしそうに飲んでいても、我慢できる自信がありますか?

10ヶ月は長いです。実際に妊娠される前に、一度試しにお酒を断ってみてはどうでしょう。もしそれでイライラするようなことがあれば、妊娠と同時に一気に禁酒するのではなく、妊娠前に少しずつ飲酒の量を減らしていくと良いかもしれません。

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Q10. 少量のアルコールなら大丈夫なのでは



「66%の確率で事故に遭わずに高速道路を横切ることができる」と言われて、「一か八か試してみましょう」と子供を高速道路に投げ出す親がどこにいるでしょう? 妊娠中や授乳中の飲酒は、一種の「カケ」です。ただ、その安易なカケの代償は『命』や『人生』といったとてつもなく大きなものなのです。

先天性の病気や症候群は、FAS以外にも多くあります。それらのほとんどが、発症を防げないものであったり、未だに発症の原因が解明されていない病気であったりします。ですがFASに限って言えば、母親がアルコールを口にさえしなければ、確実に防げる病気なのです。

誕生前のわが子に、親がしてあげられることって何でしょう?お菓子や玩具を与える事はできないですよね。子供は、母親のお腹の中で一生懸命生きています。親がしてあげられるのは、せめてできる限りの『健康な命』を授けてあげることではないでしょうか。

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Q10. 作者からのメッセージ


これから生まれてくる命のために、そして今現在FAS/FAE(胎児性アルコール症候群)の症状を持ちながらも病名が分からずに苦しんでいるお子さんやご家族の方がいらっしゃる方々のためにも、一人でも多くの方が胎児性アルコール症候群について知り、病気にたいする理解を深めてくださることを願って、私はこのサイトを立ち上げました。

妊娠というのは新しい命を育むことです。母親は自分の栄養をへその緒を通じて子供に分け与え、体液を羊水という名のクッションに変え、自分の身体の全てを使って子供を守り育てます。母親のホルモンのバランスは崩れ、カルシウムは不足しがちになり、精神状態が不安定になったり身体がむくんだり痛んだりします。思うように動けなくてイライラしたり、周りからのプレッシャーや妊娠に対する不安、ストレス、心配など、10ヶ月に渡っていろんな事が妊婦には起こりえます。

そういった諸々に対処しながら同時に禁酒に挑むことは、妊娠していない時に減酒・禁酒することより簡単ではありません。お酒を断つことは大変な事です。でも新しい生命を育むことは、それ以上に大変なのです。

その手に我が子を抱いて、子供の可愛い顔と小さくて可愛い手足を目にし、やわらかい赤ちゃんの匂いを胸いっぱいに吸い込んだ瞬間、『この子が今よりももっと健康で幸せでかわいく、賢く生まれることができたのであれば、自分は妊娠中にどんなことでもしただろう』と思うでしょう。 10ヶ月を経てようやく我が子が生まれ、自分の腕に抱いた瞬間にその事に気付く母親は多いです。

妊娠中の10ヶ月。子供の尊い一生に比べたら、なんと短い期間でしょう。でもそのたった10ヶ月間の飲酒が、子供の一生を左右しえるのです。健常児として生まれることが可能だった自分の子供の人生を、飲酒のせいで狂わせてしまったことに、子供を胸に抱いてから気付いてももう遅いのです。

禁酒できないのであれば、避妊をすることです。子供の一生を棒に振る痛みに比べたら、避妊をするくらい難しい事ではありません。


飲酒された方は不安でしょうが、どうかご自分を責めないでください。
まだ妊娠中であるのなら、お子さんが完全型の胎児性アルコール症候群を患わないで生まれてくる可能性はまだ66%もあります。残りの妊娠生活を健康に暮らし、ご自身の身体を労わって過ごすことを考えてください。

出産された方でお子さんに胎児性アルコール症候群と思われる症状が見られる方へ、どうかご自分を責めないでください。妊娠前にFASについてご存知でしたら、きっと飲酒されることはなかったと思います。情報を得られなかっただけなのです。あなたが悪いのではありません。どうか自分を責めて苦しまないでください。これから先、FASの症状を持つお子さんの状態にもっと理解を示し、どうすればその子が少しでも快適に過ごすことができるか、どうすればその子をよりよくサポートしてあげられるかを考えてあげてください。

胎児性アルコール症候群について初めて知った方々、ならびに当サイトへ来てくださった皆様へ。
どうか周りの方へもこの病気について知らせてください。この病気は事前に知識さえあれば防ぐことができます。そして、もしあなたの周りに胎児性症候群と思われる症状をもつ人がいるならば、どうか病気に対して理解を示してあげてください。サポートしてあげてください。


このサイトに来ていただいたことを心から感謝いたします。

サイト作成者 江口



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